腐女子言端の内と外

腐女子腐男子関連彼是

男同士今昔

うさこ@神戸さん、id:usacoK:20041216#p3にての記述、
有り難うございます。当方、コバルト文庫からやや遠ざかった
時期がありましたので、記憶に曖昧な部分があります。
考える足掛かりを与えて戴き、有り難うございました。
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id:asamioto:20041215#p6にて指摘があった様に、昔『JUNE』・
『小説JUNE』に掲載された作品群を中心とした所謂耽美と
形容された小説達は、必ずと言って良い程暗い影を宿して
いたものです。その影の正体には諸説ありましょうが、ここでは
徒らに名前を与えて定着させる事は致しますまい。
その影の部分と言うのは外部からは鬱陶しいものに見えたかも
知れませんが、内部にとっては『耽美』に深い味わいを持たせる
大事な要素であったと拝察します。耽美が単なる「絡み」ではなく
小説或いは他表現の物語として成立する為の要素、と申しても
良いやも知れません。
懐古趣味を振り回すつもりではありませんが、耽美の中に描かれた
「行為」は単なる性的行動ではなく、会話の延長であった、と
筆者は思うのです。普通の会話では判り合えない通じ合えない心情が
「行為」によって通じてしまい一波乱、と言う感じであったり、
「行為」によって自らの内面の闇に気付き怯え戸惑う様子を描く事に
よって、何らかの展開を拓こうとする部分があったのでは無いか、と。
……「行為」の描写と言うのも難しいものではございますけどね。
「行為」の奥にあるものの描写を省略して知らぬ顔の半兵衛を決め込む
ばかりでは、外側の人に幾ら『禁断の愛』云々と言った所で
通じ難いものでございましょう。
アダムの林檎は味を知られてしまったが故に禁断の果実と成り得たの
ですから。
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それにしてもコバルト文庫も様変わりしたものです。
コバルト文庫で性的内容を扱っていたと言えば富島健夫さんと
筆者は連想するのですが…佐藤愛子さんや辻真先さんや夢枕獏さんや
小室みつ子さんや眉村卓さん辺りも作家陣に加わっていた頃の
コバルト文庫をちらと知る者にとっては、隔世の感ありです。