腐女子言端の内と外

腐女子腐男子関連彼是

作者と評者

やおいを生み出せるからと言って、冷静な評価を下せる訳ではありません。
冷静な評価を下せるからと言って、良いやおいを生み出す事が出来る訳でも
ありません。天は二物を与えずとは良くぞ言ったものです。
ネットと言う手段も加わって意見発信が容易になってきたのは良いの
ですが、感想と評論を混同して発信する人は古今東西後を絶たぬ様です。
分析めいた言葉を織り交ぜても根底に好き嫌い故の感情が入り混じれば
評論とは言い難いのですが、そこを新機軸だと上手く周囲に言い含める
方も居る様で(苦笑)
評論と言う形式でやおいを貶したり腐したりするならば悪罵では無く
研ぎ澄ました冷笑を用意するべきではないかと。
見えないところをきちんと見ると言うのも評者の仕事でしょうね。
見えるところを言い立てるのは筆者の如き者でも出来ますから。

読者と評者

読者と言う立場にしてみると、評論と言うのは鬱陶しくて
時々有り難いものです。溺れた時に掴む藁に等しいのかも
知れません。
我ながら酷い言い草だとは思いますが。
大体がやおいBLショタに対する評論と言うのは、極一部の
方を除いては本当に感想か好悪の域に止まってるんじゃ
ないかと思えるのですね。若しくは明後日の方向まで行く
観念論か。評者の存在がやおいBLショタを外部に対して
難解なものに仕立てていると言う現状もまたあるのです。
私見で申し上げれば耽美小説・ゲイ文学ブックガイドか蜜の厨房*1
展開されている論程度かも知れませんね。明快で尚且つ
萌えを感じるのは。読者としての共感も覚えますし。
良き評者になるには先ず良き読者になる事が肝要かと。
作品を味わう感覚を鈍らせては、良い評価も出来ますまい。

作者と読者

この二者の間柄と言うのが殊やおいショタの世界について
言えば微妙なのですね。近いんですけど、遠いんです。
…説明を試みようと色々思案するんですけど、上手い言葉が
見つかりません。
月並みに言うなら、読者層を見れば作者が判る、と言う事
でしょうか。この物言いとても口にした当人が六割程度しか
納得してないのが歯痒いのですが。

三すくみ?

ネットによる情報発信が容易になって以降、この三つの立場を
一人で兼ねて行動する人は多いかと思います。しかして、その
三つの立場が全て滑らかに進行していると傍目から判断出来る
人は少ないでしょうね。並立させようとするとどうしても自分の
中に矛盾を常に抱え込み、相当に慎重にならざるを得ない筈
なのです。周囲とのしがらみ以前の問題でね。
しかし、現実はと振り返ると…愛のある評論なんて一体何処に
あるのだろうと途方に暮れるばかり。悪口雑言と毒舌との根本
的な違いさえ判っていない方もいらっしゃる様で。そしてその
裏で作者の立場になれば暗黙の内に読者に甘え、読者の立場に
なると又他の作者に甘える……自戒も込めてこうなりたくない
と書いております、はい。
三すくみになる立場ではなく、三者の長所を融通し合える関係が
上手く構築できれば、奇妙な考えが暗躍する事は無いのだろう
と個人的には思っているのですが。