QOL in ...
描くテーマに禁忌なぞ無い、と思われがちなやおい・ボーイズ
ラブ・ショタの諸作品ですが、さり気無くと言う感じで回避され
易いテーマはあるものです。例えば身体障碍ですとかね。
一時的な疾病による動作の不自由は物語のアクセントとして描かれ
易いですが、半永続的に続く不自由になりますと…テーマとして
消化するにはかなり荷が勝ち過ぎる様です。
寡聞な筆者の知る作品を挙げてみますと…。
JBOOK 商品詳細：書籍：好色少年のススメ（６）
※閲覧時年齢制限に留意。
好色少年のススメ（6） 茜新社/04.7.9初版/ISBN:4871826775
こちらに収録されているきりがくれたかやさん作『瞼の裏に』では
中途失明他後天的な障碍が物語の軸に取り入れられています。
その事が、ただ流れがちな物語を引き締め、佳作に引き立てています。
最近では、
it's BOY's LOVE！ Vol.2 マガジン・マガジン/04.12.8刊行/2004年12月号
こちらに収録の大江マキさん『愛よ沈黙をぶち破れ！！』が
先天性と思しき聴覚障碍を物語の軸に取り入れて相当濃い描写を
繰り広げていました。
以上二作品は、障碍こそ描かれていますがそれが人生にマイナスのみを
齎す存在では無いと余白で雄弁に語っている様な気が致します。
物語の中での話ではありますが、障碍もまたその人の一部なのだ、
と言うエールが聞こえる様な、そんな気が致します。
