試みの破片
グーグリェンドゥ氏とゴッゴル=デ・ラ
=イオアイの一日と言うのは凡そ次の様に
始まる。
「痛々…もう年だな」
起き抜けに腰を襲う鈍痛…それが房事に
起因するものであった事は実の所少ない。
大体は横に居る寝汚い若い友人の余りに
健やかな寝相の所為だ。
この寝相に付き合う根気が私にあったから
こそゴッゴルとこうして暮らしていられるのか
と思うと、苦笑いが浮かびこそすれそうそう
悪くは無いさだめだと言えるだろう。
冬がまだ遠い季節で良かった。これが冬ならば
腰の痛みとともにイェスパ風邪に襲われて、
幸せを噛み締める所では無くなっていただろう。
当のゴッゴルはと言うと、枕を抱きしめて
健やかな寝息を立てている。
全くもって、無邪気なものだ。
……我ながら収拾がつくんだろうかと一抹の不安が。