腐女子言端の内と外

腐女子腐男子関連彼是

ことばというもの

清水義範著「発言者たち (文春文庫)」をふと思い出します。
言葉と意思疎通…ネットが普及して以降クリアになる
問題かと思った事もありましたが、却って内包していた
色々な部分が出てきて混乱が起きている様ですね。
筆者も時に言葉を選ぶ際に躊躇します。
『共通語』ではなく、『方言』を多用する側の人間ですから。

共通語と言う幻想

『共通語』を使えばやおいの内外の溝は埋められるか。
そう問われれば、筆者は『残念ながら』と答えざるを得ない
でしょう。歩み寄りは可能だとは思いますが。
その溝を無闇に埋めたり否定するのではなく、何故溝がある
のかと考えないと。
相手の『方言』を責める前に、先ず自分の『共通語』を見直し
ましょう。共通語と思っていたものが実は洗練された『方言』
である事も充分考えられるのでしょうから。

大人の思惑

id:emifuwa:20040805#p1で証言されている第一次キャプテン翼
ブーム*1当時の週刊少年ジャンプ編集部の反応について、
思い出したことが少しありました。活字で読んだ様な覚えが
あるのですが、典拠となる文献が今手元に見つかりません。
記憶のみを頼りにする事をお許し下さい。
当時は原作者である高橋陽一氏も「キャプテン翼」をやおい
言う目で捉えるファンの増加について編集者相手に怒りを
露にしたそうです。
が、ここで一つ抱く素朴な疑問。
キャプテン翼』のやおいを下敷きにした尾崎南女史の『絶愛』は
集英社発行の少女漫画誌*2に掲載され、また単行本も
無事に集英社から発行されて*3います。
絶愛―1989― 1 (集英社文庫―コミック版)
絶愛―1989 (2) (集英社文庫―コミック版)
絶愛―1989 (3) (集英社文庫―コミック版)
その点についても件の活字は上手に処理していた様で、裏で
密談があった云々と言う話があったとか無かったとか*4
当時の腐女子を取り囲む大人の事情、と言う奴でございましょうか。
思えば、『炎の蜃気楼』も集英社コバルト文庫…思惑に踊り踊って、
さてと言う醒めた気持ちもふと過ぎりますが。

*1:筆者の勝手なネーミングですが。

*2:週刊マーガレットですね。

*3:マーガレットコミックスにて。現在は文庫化。

*4:この活字による典拠、手持ちにある資料から発掘されましたら後日追記させて戴きます。

傍註4の為に

傍註が矢鱈と長くなってもいけませんので、当時読んだ際の
活字メディアの特徴など別記しておきます。手元の資料の
心当たりをとりあえず見返してみたのですが発見できません
でしたので。どこかで立ち読み拾い読みしたものが心に
引っかかったのやも知れません。

  • 高橋陽一氏の名前を高橋『洋一』と誤記していた。
  • 矢鱈と偉そうな口調。業界裏話とやらを話す自称業界人の様な感じ。
  • 他の分野の事を話していて、やおいに水先が向くとその話題が出て来ていた様な。
  • 紙面の内容はサブカルチャー寄りのものであった様な。

凡そこの様な感じであったかと思います。思い出しながら
『この内容が御都合主義に基づく記憶の捏造だったらどうしよう』と
ふと不安になった筆者です。めでたく典拠が見つかると
安心できるのですが。

大人の事情:追記;04-8-6 15:00:00

id:emifuwaさんの所で引用がありましたので、ここでも
紹介しておくべきでしょう。下記にて往時の様子が紹介
されております。

ストラボ(NOW):
一文字晶様 8月5日付記事「腐女子にも歴史あり」
http://stlabo.vis.ne.jp/nicky/nicky.cgi?DT=20040805A#20040805A

そうは言われましてもねぇ…原作者様に楯突く訳ではござい
ませんが、誘い受といった感じの描写があったなと言う記憶も
残念ながら筆者は持っている訳でして。
何ですかねぇ…キャプテン翼以降のやおいの時間軸の経過を
省みますと、どうも言葉通りに受け取れない。はい、穢れた
人間だと我ながら思います。
そもそもが本当に怒っていたら、わざわざ小次郎と若島津に
代弁させますか?*1火に油を注ぐような真似とは思いません?
この怒りの表明でさえも何か大人の計算の臭いがあると妄想
してしまうのですが。

*1:この二人のカップリングが一番『激しかった』ので抗議の代表選手に選ばれたと言うのはあるのでしょうが…。物語の主人公が大空翼だと言う事を無視してません?